湿度が高い場所でカビとダニが同時に発生する理由とは?
住宅の中でも特に湿気が溜まりやすい場所にはカビが発生しやすくなりますが、そこには必ずと言っていいほどダニも生息しています。なぜカビとダニは同じ場所で発生するのでしょうか?今回はその理由と、湿気が溜まりやすい住宅の特徴についてお話します。
目次
なぜ湿度が高いとカビが発生するのか?
カビは冬の寒い季節に、窓や壁などに結露ができることで発生します。
これは、空気中の水蒸気が水滴に変化しないと、カビは水分を体内に取り込むことができないためです。
ではなぜ、お部屋の湿度が高いだけでカビが発生しやすくなるのでしょうか?
それは、たとえ気温が暖かく結露しにくい季節であっても、水分をたくさん含んだ空気が壁や床、家具といった物に触れると、水蒸気が水滴に変化して結露になってしまうからです。
この現象は、触れた物の表面が冷たくなくても起こります。
空気が乾燥していれば、結露が発生してもすぐに蒸発してしまうため、カビが繁殖することはありません。
しかし、空気中に多くの水分が含まれている場合は、水滴が蒸発できず、物の表面に長く滞留することになります。
湿っている物の表面は、カビの胞子やカビのエサになるホコリなどが付着しやすいため、豊富な水分とエサによってカビが繁殖してしまいます。
このように、お部屋の湿度が高いことが原因で発生するカビは、空調などで湿度を下げることで防げます。
ただし、湿度が高くなる原因が床下や屋根裏にある場合は、専門業者に相談することをおすすめします。
カビが生えた場所にダニがいる理由とは?
カビとダニはセットで扱われることが多いですが、なぜ同じ場所に発生しやすいのでしょうか?
それは、カビもダニも高温多湿で、ホコリなどのエサが豊富な環境を好む傾向があるからです。
さらに、カビの胞子や菌糸もダニのエサになるため、カビとダニが同じ場所に発生しやすくなります。
また、ダニはカビ自体を食べるだけでなく、カビがエサを食べた際に作り出す有機物も栄養にします。
そのため、元々カビが生えた場所にダニが生息していなくても、カビやカビが作り出す有機物のニオイに引き寄せられてダニが集まってくるのです。
湿度が高くなりやすい住宅の特徴
湿度が高いとカビが発生しやすく、そこにダニが集まってくることが分かりました。
では、湿度が高くなりやすい住宅にはどんな特徴があるのでしょうか?
【風通し・日当たりが悪い】
窓が少なかったり、窓の位置が原因で風が吹き抜けないような構造の住宅では、空気の入れ替えがうまくできないため湿度が上がりやすくなります。
日当たりが悪い家は、隣の家との間隔が狭いことが多く、風通しが悪いという間接的な理由から湿気が溜まりやすくなることがあります。
【新築・築年数が浅い住宅】
住宅の構造が「コンクリート」や「鉄筋コンクリート」の場合、築年数が浅いとコンクリートに含まれる水分が抜けきっていないことが原因で、住宅全体の湿度が高くなる可能性があります。
ちなみに、コンクリートに含まれる水分は、通常1〜3年ほどで抜け切って乾燥します。
【古家・修繕していない住宅】
築年数が古い住宅ではあらゆる場所が劣化している可能性が高く、雨漏りや浴室のタイルのひび割れ部分などから水分が染み込んで、家全体が湿っぽくなることがあります。
また、30年以上前に建てられた住宅では床下が土の場合が多いため、土の中に含まれる水分が水蒸気となって室内に広がり、住宅全体の湿度が高くなる場合があります。
最後に
たとえ湿気が溜まりやすい住宅であっても、サーキュレーターや換気扇、除湿機やエアコンなどを上手く利用すれば、簡単に湿度をコントロールできます。
もし、湿気が高くなる原因が床下や屋根裏にありそうな場合は、専門業者に相談するのもおすすめです。
カビもダニもアレルギーなどの健康被害を引き起こす可能性があるため、しつこいカビにお悩みの方は、この機会に住宅の湿気対策について考えてみてはいかがでしょうか?