カビでお悩みの方必見!住宅に生えるカビの基礎知識
繰り返し発生するカビにお困りではありませんか?カビは微生物の一種で、増殖するまでは肉眼で確認できないため、完全に除去するには正しい知識を持っていた方が対処しやすくなります。そこで今回は、カビへの理解を深めるべく、カビの生態や住宅に生えるカビの種類と特徴についてお話します。
目次
カビってどんな生き物?その繁殖方法とは
カビは「糸状菌」という微生物の一種で、糸の様な形をした「菌糸」と、丸い形をした「胞子」からできています。
カビ菌はもともと土の中に存在していて、自然界では植物に寄生し、他の微生物と共存しています。
そして、成長すると次の繁殖先を探すために、生殖細胞となる新たな胞子を空気中に飛ばします。
胞子は空気中で塵や水蒸気などに付着して空気の流れに乗って運ばれ、次の繁殖場所に辿り着きます。
そして、辿り着いた先の環境が生育に適している場合は、そこで胞子が発芽して菌糸が伸び、菌糸から出る静電気で栄養となる有機物を吸着しながら成長します。
発芽した胞子が成長し、菌糸が育って束になったものを「菌糸体」と呼び、この時やっと私たちはカビの存在に気付けるようになります。
カビが生えやすい4つの条件とは?
カビの胞子が辿り着いた先で成長するためには、適切な「温度」と「湿度」、そして成長するための「栄養」と「時間」が必要です。
【温度】
カビが発生しやすい温度は20〜30℃と言われていますが、中には0℃前後で繁殖できるカビも存在します。
冷蔵庫や涼しい場所に保管している食品にカビが発生するのはこのためです。
【湿度】
カビの種類にもよりますが、多くのカビは湿度が60%以上になると活動が活発になります。
湿度が75%を超えると繁殖スピードが加速します。
【栄養】
カビは有機物を取り込んで成長します。
ホコリや皮脂、髪の毛、食品だけでなく、紙や木材、布などの建築材料も栄養源になります。
【時間】
カビが物に付着して増えるまでにはある程度の時間が必要です。
掃除には、カビのエサとなる有機物を取り除く以外にも、カビが物に滞在する時間を短くして、成長できないようにするという効果があります。
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家に発生しやすいカビの種類と特徴
住宅によって発生するカビの種類は異なりますが、どんなお宅でも発生しやすいと言われているのが「黒カビ」「赤カビ」「ススカビ」「コウジカビ」の4種類です。
【黒カビ】
黒カビは、お家の中で一番見かけることが多いカビの一種です。
浴室、洗面所、窓、壁紙、エアコンの内部や布製品まで、条件が揃えばどこにでも発生します。
黒カビは、繁殖する物の奥深くまで根を張るため、カビの根っこまでしっかり除去することが大切です。
【赤カビ】
古くなったご飯やパン、野菜などの食品に発生します。
赤カビの生えた食品を食べると、食中毒や免疫機能の低下を引き起こすことがあるため注意が必要です。
ちなみに、水回りに発生しやすいピンクのヌメヌメした汚れは赤カビではなく、ロドトルラという酵母菌の一種です。
ロドトルラは赤カビと違って人体への影響は少ないと言われていますが、黒カビのエサになるため放置は禁物です。
【ススカビ】
黒いスス状のカビで、胞子が軽いため室内に飛散しやすく、空気中に長く漂うという特徴があります。
ススカビは、水分が多い場所や結露しやすい場所で繁殖します。
住宅では、壁、プラスチックやビニール製のホースやシャワーカーテン、エアコンの内部や冷蔵庫の中で発生します。
【コウジカビ】
コウジカビが発生しやすいのは、お米、パン、シリアルなどのデンプン質が多い食品です。
自然界で最もよく見られるカビというだけあって、食品以外にも空気の通りが悪い押し入れや家具の裏、絨毯、布団、さらに革製品やエアコンのフィルターなど、様々な場所で発生します。
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最後に
住宅に発生するカビの中には、赤カビのように強い毒性を持つ種類もあります。
また、毒性が低いと言われるカビでも、胞子を長期間吸い込むことで健康被害を引き起こす可能性があります。
そのため、室内でカビを見つけた際には、増殖する前にカビ取り専用の薬剤を使ってしっかり除去することが重要です。
もし、カビが広範囲に発生している場合は、専門業者にクリーニングを依頼するなど、プロの手を借りることをお勧めします。