蜂の種類を簡単に見分ける方法と刺された時の応急処置について
お家の周りで蜂を見かけた時やお家に巣を作られてしまった時に、その特長から蜂の種類を特定できると対処がしやすくなりますね。そこで今回は、蜂の巣駆除の依頼が多いミツバチ、スズメバチ、アシナガバチの特長や、刺された場合の対処法についてお話します。
目次
- 蜂の見た目や巣の特長から種類を特定する方法
- 「警告フェロモン」に注意!蜂の攻撃性と刺されないための注意点
- 蜂に刺されてしまった時はどうすればいい?
- 蜂に刺された時のアナフィラキシーショックについて
- 最後に
蜂の見た目や巣の特長から種類を特定する方法
蜂も蜂の巣も、種類によって様々な形をしています。
そのため、それぞれの特長を知っていれば、誰でも簡単に種類を特定できるようになります。
【ミツバチ】
ミツバチの体長は約1.2cm~1.5cmです。
体は茶色と黒の縞模様をしていて、頭部から腹部にかけて産毛がたくさん生えています。
ミツバチは木の洞や建物の隙間などの閉鎖された場所に、平らな板が何枚も垂れ下がったような形の巣を作ります。
巣は六角形が規則正しく連なった「ハニカム構造」になっており、その造りはとても頑丈です。
巣の平均的な大きさは、直径30cm~50cmほどですが、大きいものでは横幅が1mになることもあります。
【スズメバチ】
スズメバチは体長が2cm~4cmと大きく、筋肉質な体つきで、黒と黄色の縞模様がはっきりとしています。
スズメバチは種類によって巣を作る場所が異なります。
例えば、オオスズメバチは地中や木の洞、コガタスズメバチは植え込みや軒先、キイロスズメバチは天井裏や屋根裏、床下などに巣を作ります。
スズメバチの巣は球形やとっくりのような形で、平均的な大きさは直径30cm~1m程度。
巣は外側が紙のような素材でできており、渦巻きや筋を細かく重ねたようなマーブル模様をしています。
【アシナガバチ】
アシナガバチは体長が1.5cm~2.5cmで、細長い体型をしています。
体は黒と黄色の縞模様をしており、他の蜂に比べると後ろ足が長いのが特長です。
アシナガバチは、天候の影響を受けにくい軒下や屋根のある玄関先、室外機の中などに、シャワーヘッドのような形の巣を作ります。
巣の大きさは直径10cm~20cm程度で、周囲の環境に馴染みやすい灰色をしています。
「警告フェロモン」に注意!蜂の攻撃性と刺されないための注意点
蜂はすぐに刺してくるというイメージを持つ方も多いと思いますが、蜂によってその攻撃性は様々です。
スズメバチのように巣の近くを通るだけで襲ってくる蜂もいますが、ミツバチのように花の蜜や花粉を集めるタイプの蜂が人を刺すことは滅多にないと言われています。
ただし、ミツバチのように攻撃性の低い蜂であっても、一度刺されてしまったら、その場をすぐに離れましょう。
なぜかというと、蜂の毒には仲間に危険を知らせる「警告フェロモン」が含まれているためです。
逃げずにその場に留まっていると、警告フェロモンを嗅ぎつけて集まった蜂から集中攻撃を受ける可能性があります。
この習性は、スズメバチやアシナガバチにも共通しています。
また、香水や整髪料などの香りも、蜂を興奮させてしまうことがあります。
蜂の活動がピークになる時期に屋外で活動する際には、身に着ける香りにも注意するようにしましょう。
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蜂に刺されてしまった時はどうすればいい?
蜂に刺された時は、なるべく早く身体の外に毒を排出することが大切です。
スズメバチやアシナガバチに刺されても、毒針が体内に残ることはありませんが、ミツバチの場合は毒針が抜けずに残っていることがあります。
毒針が残っている場合は、優しく取り除いてください。
毒針を取り除いたら、刺された部分を指などで強くつまんで、傷口から毒を絞りだし、患部を流水でよく洗いましょう。
処置が終わったら、抗ヒスタミン軟膏かステロイド軟膏を塗って、患部をよく冷やしてください。
冷やすことで体内に入った毒の吸収を遅らせることができます。
その後はしばらく安静にして、症状に変化がないかよく観察するようにしてください。
蜂に刺された時のアナフィラキシーショックについて
毒の処置を適切に行ったにもかかわらず、次のような症状があらわれた場合は、ハチ毒によるアナフィラキシーショックの可能性があります。
- 【皮膚症状】 じんましん、かゆみ、発赤、腫れ(特に刺された部位)
- 【呼吸器症状】 喘鳴(ゼーゼー音)、呼吸困難、咽喉の腫れ、声のかすれ
- 【消化器症状】 吐き気、嘔吐、腹痛、下痢
- 【循環器症状】 血圧低下、めまい、失神、心拍数の増加
- 【神経症状】 不安感、混乱、意識の低下
アナフィラキシーショックは、蜂に刺されたら必ず起こるわけではありません。
しかし、ある統計によると、蜂の毒にアレルギーがある場合、刺された人の約10~20%がアナフィラキシーショックを引き起こすと言われています。
ハチ毒アレルギーによって起こるアナフィラキシーの症状は、発症するまでの時間が10~15分と短いことが特徴です。
また、アナフィラキシーの症状があらわれてから心停止までの時間は、わずか15分という研究報告もあります。
このため、救急車が間に合わないと命を落としてしまう危険性があります。
さらに、ハチ毒でアレルギー症状が出現した人は、その後に再び蜂に刺されると、アレルギー反応がより強く出る可能性があります。
特に、1回刺されてから1、2年以内に再び刺されると、アナフィラキシーの症状があらわれるリスクが非常に高くなるため注意が必要です。
このような重篤な症状があらわれた場合は、症状が悪化する前に早急に医療機関を受診し、医師の診察を受けてください。
アナフィラキシーショックは蜂でも起こる?!蜂に刺されたときの症状まとめ
最後に
今回は、蜂の巣駆除の依頼が多い、代表的な3種類の蜂の見分け方と刺された時の応急処置、そしてハチ毒によるアナフィラキシーショックについてお話しました。
普段は攻撃性の低い蜂であっても、絶対に襲ってこないとは言い切れません。
日本では、毎年20人前後の方が蜂に刺されて亡くなっています。
被害に遭わないためにも、蜂の巣を見つけた場合はご自分でなんとかしようとせずに、必ずプロに駆除を依頼することを強くおすすめします。