スズメバチに刺されたらどうなる?危険なスズメバチの種類と生態や特徴について

夏から秋にかけて毎年のように繰り返されるスズメバチ被害。最近では山間部だけではなく都市部などでも被害が多くなってきています。非常に危険なスズメバチに刺されたらどうすればよいのでしょう?今回はスズメバチに刺された時の対処法や、スズメバチの生態や習性を知って被害に遭わないよう気を付けましょう。
目次
- スズメバチは危険!スズメバチによる死亡事故
- スズメバチ駆除の依頼件数は右肩上がり
- 刺してくるハチの理由
- 日本に居るハチの仲間は5000種
- スズメバチの攻撃性
- スズメバチの毒
- スズメバチに刺されたら
- 最後に
スズメバチは危険!スズメバチによる死亡事故
2017年9月1日スズメバチによる悲惨な事故が起きてしまいました。愛知県大須市で電動車いすにのっていた87歳の女性がスズメバチに長時間にわたり約150カ所刺され翌日に死亡していたことがわかりました。
女性は市内の福祉施設から帰宅する途中、同行した施設の男性職員とともに自宅付近の空き家近くでスズメバチに襲われたようです。この時は防具などもちろん持ち合わせてはおらず、まず男性職員が刺されました。男性は1人では対応できないと、その場を離れ施設に連絡をしてる間に女性が多数のスズメバチに襲われてしまいました。その後、レスキュー隊が女性を救助して病院に運んだようですが搬送先の病院で翌日死亡しました。この悲惨な事故はメディアでも取り上げられスズメバチの恐怖さを改めて知る事故となりました。
スズメバチ駆除の依頼件数は右肩上がり
2000年代より増加
横浜市に寄せられたスズメバチの駆除依頼件数データを見てみますと、データを取り始めた1982年から2000年までは駆除件数は増減を繰り返しながら推移しています。それが2000年以降は多少の増減はありますが概ね2000件〜3000件の駆除依頼件数が届いています。2015年の3297件という数字は1982年の駆除依頼件数290件のおよそ10倍となっております。年々被害とともに個体が増えていってるのが確認できます。
横浜市の駆除依頼件数データ
・1982年 290件
・1983年 560件
・1984年 657件
・1985年 323件
・1986年 706件
中略
・2011年 2118件
・2012年 1658件
・2013年 2549件
・2014年 3411件
・2015年 3297件
ハチが刺してくる理由
みなさんはハチと言えば『刺す』ということをすぐに思い浮かべるかもしれません。しかし全てのハチが我々人を刺すわけではありません。こちらから手でつかんだりなんらかのアクションを仕掛けた時には刺してくるものの、自分から攻撃を仕掛けてくるハチはむしろ少数派です。攻撃してくるハチは1つの巣に1匹の女王蜂と数十匹から数万匹の働きバチで生活しているハチで、この巣を守る為に体を張って攻撃をし刺そうとしてるのです。これらのハチのグループの中でもスズメバチは横綱級といえます。
日本に居るハチの仲間は5000種
日本に5000種いると言われるハチのなかで巣を作りそれを守る為に攻撃を仕掛けてくる刺してくるハチの種類は43種います。
スズメバチ類
- スズメバチ属8種
- クロスズメバチ属5種
- ホオナガスズメバチ属4種
合計17種
アシナガバチ類
- アシナガバチ属7種
- チビアシナガゾク属1種
- ホソアシナガバチ属2種
合計10種
ミツバチ
- ミツバチ属2種
- マルハナバチ属14種
合計16種
スズメバチの攻撃性
スズメバチ属8種の比較
先程もお伝えした刺してくるハチの種類43種のうち特に攻撃性が強いのがスズメバチ属の8種です。それではこのスズメバチ属の種類を比較してみましょう。
オオスズメバチ
- 体長 45mm
- 巣からの警戒力 10m
- 刺激への反応 最大
- 追跡力 30m
- 毒量 最大
- 攻撃行動 カチカチ警告音 いきなり刺してくることもある
キイロスズメバチ
- 体長 27mm
- 巣からの警戒力 10m
- 刺激への反応 最大
- 追跡力 30m
- 毒量 大
- 攻撃行動 すぐに攻撃が拡大
コガタスズメバチ
- 体長 28mm
- 巣からの警戒力 3m
- 刺激への反応 中
- 追跡力 10m
- 毒量 中
- 攻撃行動 付近の枝への刺激などで刺される
モンスズメバチ
- 体長 29mm
- 巣からの警戒力 5m
- 刺激への反応 強
- 追跡力 25m
- 毒量 大
- 攻撃行動 キイロに次いで強く反応
ヒメスズメバチ
- 体長 32mm
- 巣からの警戒力 2m
- 刺激への反応 弱
- 追跡力 3m
- 毒量 最小
- 攻撃行動 いきなり刺すことは少ないが威嚇は激しい
チャイロスズメバチ
- 体長 29mm
- 巣からの警戒力 5m
- 刺激への反応 強
- 追跡力 10m
- 毒量 大
- 攻撃行動 足元に飛来してくる
ツマグロスズメバチ
- 体長 28mm
- 巣からの警戒力 4m
- 刺激への反応 強
- 追跡力 10m
- 毒量 中
- 攻撃行動 刺激を受けると強く攻撃してくる
ツマアカスズメバチ
- 体長 26mm
- 巣からの警戒力 10m
- 刺激への反応 最大
- 追跡力 40m
- 毒量 中
- 攻撃行動 個体数が多く刺激を受けると広範囲に飛ぶ
スズメバチの毒の成分
スズメバチカクテル
毎年夏から秋にかけてスズメバチの被害が起こります。メディアでもスズメバチの特集がよく組まれていますね。『スズメバチに2度刺されると死ぬ』とはよく聞く言葉ですがなぜ刺されて死ぬという事が起こるのでしょうか?スズメバチの毒はカクテルと言われています。それはスズメバチの毒の成分が三つの成分からできているからです。
三つの毒の成分
①アミン 痛みや腫れなど
②ペプチド 神経毒、血液破壊、アレルギーなど
③酵素 細胞の破壊、溶血など
腫れや痛みは当然ですが、ペプチドなどの神経毒が心筋や呼吸の麻痺を起こします。また、酵素はアナフィラキシーショックの原因物質です。
※アナフィラキシーショックの詳細などはこちらの記事を参考にしてください。
アナフィラキシーショックは蜂でも起こる?!蜂に刺されたときの症状まとめ
スズメバチに刺されたら
引き起こされる症状
毒は体内に入った瞬間からいろいろな悪さをします。まず刺された箇所に強い痛みや腫れが引き起こされます。そして血液の白血球を破壊して血圧を下げたり、気道が腫れて呼吸がしにくくなったりすることもあります。これは毒の成分がとても複雑であることを示しているとも言えます。
焼けた釘のような感覚
スズメバチに刺されると、焼けた釘に触れたような熱く鋭い痛みがじりじり広がっていきます。頭など刺されると、きついヘルメットを無理やりかぶされらされたときのような締めつけられるような痛さで、触れなくても手を頭に近づけただけで痛みが走るような感覚になります。
熱、痛み、痒み
刺されると6時間から8時間ぐらいはドクンドクンと脈打つように痛みのリズムが続きます。痛みと同時に刺された箇所の腫れが広がり、熱をもちます。痛みが少し治ると強い痒みがあらわれます。
処置方法
①刺されたところに十分に水をかけながら、つまんで毒をしぼり出すようにする。
②刺されたところを冷やして、抗ヒスタミン剤の軟膏を塗る。
③できるだけ早く病院へ行く。
特に刺された事が2回目であると先程もお伝えしたアナフィラキシーショックが起こる可能性もあり大変危険です。すぐに病院に行きましょう。
最後に
今回はスズメバチの生態や種類についてお伝えしました。最近ではスズメバチの巣の駆除依頼も街中の住宅や子供たちが遊んでいる公園など様々な場所で依頼があります。興味本位で近づいたりしないで、スズメバチの巣を見つけた場合は地元の自治体に連絡をしましょう。自宅の軒下や敷地内にスズメバチの巣を見つけたらスズメバチの種類を確認して駆除業者に連絡をしてみましょう。巣の大きさや場所によって駆除の費用は変わってきますので納得できたら駆除依頼をお願いましょう。
株式会社ミナトでは、蜂の種類に合わせた薬剤で蜂を駆除し、巣を取り除いてから再発防止の予防までを承っています。害虫駆除のプロが作業をさせていただきますので、安心してお任せください。調査・見積もりには、無料でお伺いします。
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