新型コロナウイルスの重症化について

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除菌消毒

新型コロナウイルスは未だ収束せず医療を逼迫しています。新型コロナウイルスはただの風邪とは異なり重症化することがあり、重症化しやすい人としにくい人がいます。ではどのような人が重症化しやすい人なのでしょうか?今回は重症化について詳しく説明していきます。

目次

  1. コロナ感染後から重症化への経緯
  2. どんな人が重症化しやすいのか?
  3. 重症化を防ぐための対応
  4. 性別や血液型も重症化要因?
  5. 最後に

コロナ感染後から重症化への経緯

カルテをとっている様子
新型コロナウイルスに感染すると軽症で済む場合と重症化してしまう場合があります。感染者の80%の人は風邪に似た症状でとどまり、発症してから10日くらいで軽快します。しかし、15%の人は中等症で酸素療法が必要となり、発症してから7日前後で呼吸苦を示します。さらに5%の人は重症化してICU管理が必要となることがあります。つまり感染者の20%の人は発症してから7日前後で呼吸苦や呼吸困難となり重症化する可能性があるのです。

どんな人が重症化しやすいのか?

基本的には高齢者、持病のある人、重度の肥満、喫煙者、子供、妊婦が重症化しやすいと言われています。下記にそれぞれについての詳細を説明します。

高齢者

高齢者は特に重症化率が高いと言われており、年代別でその割合が大きく変わります。厚生省の発表では10歳未満から20歳代では30歳代と比較して0.2~0.5倍と非常に重症化率は低いですが、その一方で40歳代となると30歳代と比較して4倍、50歳代で10倍、60歳代で25倍と年齢を重ねるにしたがって重症化率は急激に上昇していく傾向にあります。さらに70歳代ともなると47倍、80歳代で71倍、90歳代では78倍と驚くべき割合で重症化率が上昇していきます。このように、高齢になるにしたがって重症化率が格段に上がっていく傾向にありますが、その要因となっている主な理由は高齢になればなるほど、肺・心臓・血管などの機能が次第に衰えていくためと考えられています。

持病のある人

コロナ感染重症者の持病と死亡率について以下のようなデータが発表されています。腎機能障害があった場合は疾患なしに比べて6倍死亡率が高く、心疾患や脳血管障害がある場合は5倍、慢性肺疾患、固形がんがある場合は4倍、糖尿病、肝疾患がある場合は3倍、高血圧、高脂血症がある場合は2倍、と持病を持っている方であれば疾患なしの人に比べて2倍から6倍重症化になりやすく死亡に繋がってしまうというデータが出ています。

重度の肥満

重度の肥満も重症化しやすい原因と言われています。世界各国で肥満と重症化についての調査が進められており、その結果、BMI数値が25を基準に25以上であれば25未満の人と比べ、重症化率・入院率・死亡率がそれぞれ約2倍近くまで上昇する可能性があるという報告が上がってきています。また、恐ろしいことに重症化率をあげるだけでなく、そもそものコロナへ感染する確率をあげ、ワクチンの効果をも低減させる可能性があるとも言われているのです。

喫煙者

喫煙者とそうでない人を比較した場合、喫煙者の方が約1.7倍重症化しやすく、またICUや人工呼吸器による管理、死亡のいずれかへ繋がる確率が3倍近く高くなるといった統計が出ています。これらの原因には喫煙による肺機能の低下や体内の免疫力の低下が考えられています。喫煙者の場合、重症化を少しでも抑えるために禁煙することが重要であると言えるでしょう。

子供・妊婦

最近よく0歳の赤ちゃんや、妊婦さんがコロナに感染し重症化したと耳にしますが、子供であっても大人であっても感染のしやすさは同じです。子供であれば大人より重症化しにくいとされていますが、年齢の低い赤ちゃんや呼吸器官が弱っている子供は例外であるため感染させないよう注意が必要です。また、妊婦さんはホルモンバランスの低下、栄養不足、睡眠不足などが原因で免疫力が下がりコロナに感染しやすい状態にあります。妊娠し時間が経過すると子宮が大きくなることで呼吸機能が妊娠していない時と比べ低下するため重症化しやすくなると言われています。

重症化を防ぐための対応

上記でも説明したように重症化になりやすい人は高齢者や喫煙者など肺機能が低下している可能性がある人、または持病がある人や重度の肥満の人で免疫が弱まっている人に多く見られます。これらに該当する人は自分が重症化しやすい人であると早めに認識することが大切であり、迅速に医療へ対応してもらうことが必要となります。つまり、重症化する人を見極める力を身につけ、素早く適切な治療ができる体制を整えておきましょう。

性別や血液型も重症化要因?

男性より女性の方が重症化率が高いと言われることがありますが実際は男性の方が約3倍高いと言われ、厚生省の発表では死亡率は男性1.9%、女性1.6%と男性の方が若干多いと発表しています。まだこの原因は定かではなく憶測として、女性に比べ男性の方が、肥満、喫煙、飲酒割合が比較的高く、健康意識も若干薄いことが関係し、これらのことが体内の免疫低下に繋がり重症化率に影響を与えているのではと言われています。また、血液型にも重症化率に差があり、O型に比べるとA型・B型は1.2倍重症化率が高く、AB型は1.6倍高いとされており、これに関してもはっきりとした理由はまだ発表されていません。

最後に

今回は重症化について説明しました。コロナに感染した場合は大半は風邪と似たような症状を発症し次第によくなっていきます。しかし、一部は重症化し酸素療法、ICU管理が必要になったり死亡する可能性もあります。重症化しやすい人には特徴があり、大きく分けると、高齢者、持病がある人、重度の肥満、喫煙者、妊婦さんがいます。共通点としては肺機能の低下や、体内の免疫が弱っていることです。ご自身で自分が重症化しやすい状況なのかを把握し、素早く医療機関で治療できる体制を作り、万が一に備えておくとよいでしょう。

※株式会社ミナトはペストコントロール協会に加盟しており、ペストコントロール協会の指導の下、除菌・消毒作業を安全に行っております。

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