ハクビシンはどんな害獣?見た目や特徴それぞれの被害について
近年、全国的に害獣被害が増加している原因の一つであるハクビシン!皆さんはハクビシンがどんな害獣なのかご存じでしょうか?もしハクビシンに遭遇した場合はどう対処すればいいの?そこで今回はハクビシンの見た目や特徴を知って正しく対処する方法を紹介したいと思います。
目次
- ハクビシンの見た目や特徴
- ハクビシンは何を食べるのか?
- ハクビシンの苦手なもの
- ハクビシンの運動能力
- ハクビシンによる被害
- ハクビシンの駆除捕獲は許可が必要
- 自分で出来る対策方法
- ハクビシン駆除対策は業者に依頼するのがおすすめ
- 最後に
ハクビシンの見た目や特徴
見た目・大きさ
タヌキやアライグマに似ているネコ目ジャコウネコ科の動物です。タヌキやアライグマと見分ける違いはハクビシンは漢字では『白鼻心』と書き、その名の通りおでこから鼻先まで白い線が入っているのが特徴です。大きさは大体60cm前後で一般的な野良猫などと同じようなサイズ感です。それ以外の特徴としては40〜60cmほどある長い尻尾です。これがタヌキやイタチなどとの大きな違いと言えるでしょう。
どんな地域や場所に出没するのか?
ハクビシンはもともと山間部や森林など自然の中で生活している動物で、主に山間の畑や果樹園などの特定の場所で目撃されていました。ですが近年は餌を求めて人間の生活圏内にまで出没する件数も多くなっています。また昭和の始め頃は福島県や四国地方の一部の地域でしか生息を確認できなかったハクビシンですが、今では北海道や東京都心でも確認できるほど日本全国で生息が確認されています。
ハクビシンは何を食べるのか?
ハクビシンは主に木の実、野菜、果実、昆虫などを食べます。その他にもサツマイモや、じゃかいもなどの穀物類、小動物や昆虫類、メダカや小魚などの魚類、雑食なので人間の食べれる物はなんでも食べてしまうと考えてよいでしょう。
ハクビシンの好物
雑食で何でも食べるハクビシンですが、なかでも糖度が高いりんごやメロンなどの果実が大好物です。また、お菓子類も好物で特にキャラメルコーンは駆除の際業者が使用するほど大好物と言われています。
ハクビシンの苦手なもの
ハクビシンは強烈な匂いがする刺激臭や石油系の匂いが苦手と言われています。例えば唐辛子、ニンニク、ミントの匂いなどです。こちらは忌避剤代わりに使うことも。また、その他にも音にも敏感で大きな音や超音波も苦手としています。夜行性のため青い光にも警戒して近寄りません。
そして天敵と言われているのは、タカやワシなどの猛禽類です。タカやワシにとってハクビシンなどの小動物は獲物の第一候補になっており特に子供のハクビシンをよく襲う事で知られています。
ハクビシンの運動能力
両肢で挟めばなんでも登れる
ハクビシンは他の動物とは足裏の構造が少し違うため、登ることが得意です。足裏は人間で言う手のひら部分のようにへこんだ形をしていて、このため足裏で押さえつけるとぴったりと密着します。この密着力を活かして垂直の雨樋でも柱でも両肢で挟んで登る事ができるのです。挟める太さであれば何でも登る事ができるのです。
針金やロープの上でも簡単に歩く
ハクビシンは細い針金やロープの上でも簡単に歩く事もできます。サーカス団の綱渡りのようなこんな事ができる動物は実はあまりいません。リスやネズミも歩けるが体の大きさがまるで違います。ニホンザルも歩く事はできますが、ある程度の太さが必要で、ハクビシンのような細い針金(1mm以下)は無理です。同程度の動物のなかでは運動能力が高く、バランス感覚は群を抜いています。
このバランス感覚で、電線や針金などを渡って屋根裏などの空間に近づき、僅かな隙間があれば侵入してきます。我々の生活圏には電線が必ずあります。最近では電線の他にもさまざまなケーブルが頭上に張り巡らされており、ハクビシンにとっては迅速に移動できる幹線道路になります。
ハクビシンによる被害の特徴
農作物被害
害獣による被害は畑や農業を営んでいる人達にとっての悩みのタネとなっています。夜行性のハクビシンは人間達がいない安全な時間に現れて様々な農作物を食い荒らしてしまいます。どれぐらいの被害かと言いますと、全国でのハクビシンによる農作物の被害額は2005年に1億8千万円となりそこから徐々に増えていき2016年には4億円を超えています。農家が収穫の際その場に残した訳ありの作物などがエサになってしまい被害が増えた一因にもなっていると言われています。
住居、家屋への被害
ハクビシンは木登りが得意で、電線や木の枝などを伝って、家屋へ侵入し巣を作ります。被害箇所は屋根裏・天井裏が多く、同じ場所に糞や尿をする習性のあるため、屋根や天井に糞尿が染み出てしまう被害が多数報告されています。こうなってはリフォームや修繕の金額も高額になってしまいます。
健康被害
野生動物で夜中は様々な場所で餌を求めて活動するハクビシンにはダニやノミなどの寄生虫が潜んでいます。そんなハクビシンが天井裏や屋根裏とはいえ家に居座ってしまってはペットや人間への健康被害も出てきてしまいます。糞尿によるアレルゲン物質のせいで喘息、気管支炎系の感染症やダニなどの寄生虫によりアトピー性皮膚炎などになってしまう危険性もあります。
ハクビシンの駆除や捕獲は禁止
駆除や捕獲には許可が必要です
日本には『鳥獣保護法』というものがあり各自治体の許可がないと捕獲できないのです。このハクビシンも鳥獣保護法に含まれています。『有害鳥獣捕獲』として各自治体に許可申請をすれば捕獲が可能となりますが、申請をせず捕獲することは法律違反となり罰せられる可能性もあります。
*捕獲許可以外にもわな猟免許、わな猟経験および保険を必要とする場合がございます。
自分で出来る対策方法
上記の説明の通り、ハクビシンの駆除・捕獲は許可が必要ですが、ハクビシンを追い出すのであれば許可なくともできるので、ここでは自分で出来る対策方法をご紹介します。
匂いの出る忌避剤で追い払う
ハクビシンはニンニクや石油などのキツい匂いが苦手なのはご紹介しましたが、そういった匂いを使用した忌避剤がホームセンターやドラッグストアなどでも購入できます。ネズミ対策にも使われる害虫駆除用のバルサンタイプのものでも代用ができるでしょう。
害獣ハクビシン対策!侵入させない・寄せ付けないための方法を解説
超音波グッズで追い払う
ネズミ駆除にも使われる超音波をハクビシン対策に使用されることがあります。人間には聞こえない周波数の音を発する超音波は我々の生活を邪魔する事無く使用できるので、刺激の強い匂いを出す忌避剤よりも使いやすいかもしれませんが、超音波を使った追い出しはあまりおすすめ出来ません。効果的にもはっきりとわかっていないこともそうですが、屋根裏などが複雑な作りになってる場合は超音波を使用しても全体的には届きません。そのような場所で効果を最大限に発揮する為には、屋根裏の作りなどを考え複数個の超音波グッズを設置することが必要になります。また、同じ周波数をずっと使っていても音に慣れてしまうため、定期的に周波数を変えるなどの手間も発生します。
ハクビシン駆除や対策は業者に依頼するのがおすすめ
徹底したハクビシン対策の為にはやはり業者に頼むのがおすすめです。個人でハクビシンを捕獲する為には申請が必要とお伝えしましたが駆除業者に頼めばその必要もありません。更に屋根裏などの被害状況の確認や侵入経路の見つけ方など素人が行うには難しい事が色々と出てきます。調査や見積もりだけなら無料の駆除業者もありますので、まずは見積もりをもらってから考えてみるのもよいでしょう。
最後に
ハクビシンの被害は近年増えていくばかりです。特に都心部での目撃や被害が多発していて、農業だけではなく家や建物にも影響を及ぼしています。またハクビシンは「鳥獣保護法」に含まれており、駆除・捕獲する際には自治体の許可が必要になるのでご注意ください。自分で出来る対策方法として追い出し作業がありますが、なかなか素人には侵入経路の把握が難しかったり、後処理の大変さもあるので、徹底した駆除対策を行うのであれば、プロの業者に依頼することをおすすめします。
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