シロアリはどこから侵入するの?家の中で被害に遭いやすい場所とは?

家のイラストとシロアリを拡大する虫眼鏡
シロアリ

害虫と言われる虫の多くは、人や動物によって屋外から屋内へ運び込まれたり、開いている窓や玄関などから家の中に侵入してきます。ですが、シロアリは日光や風に弱く、日差しに当たるだけでダメージを受けて死んでしまうとても弱い害虫です。そこで今回は、他の害虫と違って地上で活動できないシロアリが屋内に入り込む際の侵入経路と、シロアリの発生によって起きる可能性がある住宅の変化についてお話します。

目次

  1. シロアリはどこから来るの?
  2. シロアリの被害に遭いやすい場所とは?
  3. シロアリ被害が発生している住宅に起こる変化とは?
  4. 最後に

シロアリはどこから来るの?

シロアリ被害のイラスト
ヤマトシロアリやイエシロアリは基本的に土の中に巣を作って生活しています。
巣の周りにエサが無くなると、エサが豊富な場所を求めて土の中を移動し、食べられそうな木材を見つけると、土の中から地上に出て住宅の基礎部分から床下へと侵入します。
ですが、シロアリの皮膚はとても薄く、地上に出て太陽の光や風に当たると死んでしまいます。
そのため、床下に侵入する際には、土と唾液で作ったトンネルの中を移動します。
これが「蟻道」です。
蟻道はシロアリが暮らしていた地中から食害する木材の表面へと続くため、建材に不自然に土が付着している場合はシロアリによる食害が始まっている可能性があります。

中には、アメリカカンザイシロアリのように土がなくても生きていけるシロアリもいます。
このようなシロアリは、羽アリとなって飛んできて住宅に到着すると、食害できそうな木材の表面に小さな穴を空けて、その内側を食い荒らします。
また、飛来する以外にも、輸入された家具や建材の中に潜んで屋内に運ばれる場合もあります。

シロアリの被害に遭いやすい場所とは?

シロアリ被害に遭っている床下
シロアリと言えば、柱を食い荒らしてスカスカにしてしまうイメージが強いと思いますが、実は柱以外にも様々な場所に発生します。

最も被害が発生しやすい場所は、住宅の中でも特に湿気がこもりやすく、シロアリが苦手な日光が届かない床下です。
その他にも、お風呂場や洗面所、脱衣所などの水回りでもシロアリの被害が多く発生します。
また、意外に思われるかもしれませんが、シロアリが侵入しやすい玄関や勝手口も被害に遭う確率が高い場所になります。

お部屋でシロアリ被害に遭いやすいのは和室です。
なぜかと言うと、和室の畳にはお部屋の湿度を調整する役割があり、ずっと使っていない和室では畳の下に湿気が溜まって、シロアリが活動しやすい環境が整ってしまうからです。
和室にシロアリが発生すると、畳の下に敷いてある荒床(合板)が食い荒らされてしまいます。

シロアリ被害は、水回りや住宅の1階部分を中心に発生することがほとんどですが、雨漏りしている天井裏の建材などが食害されるケースもあります。
シロアリは蟻道さえ作れればどこにでも移動できるため、住宅の状態によっては被害が広範囲に及ぶ可能性があります。

シロアリが発生しやすい家とは?条件や予兆について

シロアリ被害が発生している住宅に起こる変化とは?

家の形をした積み木が崩れる様子
シロアリは、土や木の中から姿を現すことは基本的にないため、侵入してきた時点で気が付くことはほぼ不可能です。
また、シロアリによる食害が進んでも、被害が表面化しにくいという特徴があります。
そこで大切なのは、住宅に起こる変化を見逃さないことです。

  • 床がきしむ
  • 畳が全体的にフカフカする
  • ドアの建付けが悪くなった
  • 浴室や玄関に使われている木材の一部が変色している
  • 壁や床を叩くと空洞音がする

このような異変に気が付いた時は、シロアリの食害がかなり進んでいる可能性があります。
被害が深刻になる前に、必ず専門業者にシロアリの調査を依頼してください。

シロアリ放置は危険!手遅れになる前にすべき対策

最後に

新しく住宅を建てる時には、シロアリによる被害を防ぐための「防蟻措置」を施すことが法律によって義務付けられています。
また、建築基準法にも「必要に応じて防蟻措置を講じなければならない」と記載されています。
それでも、日本の住宅の5軒に1軒は床下にシロアリがいるというデータが、国土交通省の調査によって明らかになっています。
シロアリは1度発生してしまうと、対策を施さない限り自然に被害が収束することはありません。
大切な住宅を守るためにも、シロアリ対策はしっかり行い、シロアリが発生してしまった場合は速やかに専門業者に相談するようにしましょう。

関連記事 こちらも記事もおすすめ