ネズミが糞を食べるのは何故?知られざるネズミの生態

目を隠すネズミ
ネズミ

あまり知られていないかも知れませんが、実はネズミは自分の糞を食べます。ネコや犬、特にネコでは異常行動として取り上げられることもあり有名な食糞です。ではネズミにとっては普通の行動なのでしょうか?今回はネズミの食糞と生態についてお伝えします。

目次

  1. ネズミは糞を食べる
  2. ネズミは食べるための糞を作る
  3. ネズミは糞をつかんで食べる
  4. 何故ネズミは糞を食べる?
  5. ネズミの糞は栄養豊富
  6. ネズミにとってとても大事なアミノ酸
  7. ネズミは糞を食べなければならない
  8. 最期に

ネズミは糞を食べる

ウサギは普通に行う行動

ウサギを飼っている人からすれば「あ、ネズミも糞を食べるんだ〜」と思うかもしれません。ウサギが糞を食べる事は有名です。もちろん人間にとっては糞を食べるという行動(食糞)は普通の事ではなく驚きの生態です。しかしウサギやネズミにとっては普通に行う行動で食糞はいたって普通のこと、むしろ食べて当然なのです。

栄養戦略の食糞

ではなぜ食べて当然とまで言えるのでしょうか?実はネズミの消化管には食べるための糞を作る機能があります。わざわざ食べるための糞をつくるのですから、むしろ食べない訳がないのです。そしてこれはネズミが最初から「糞を食べることを前提とした栄養戦略をとっている」ことを意味しているのです。

ネズミは食べるための糞を作る

「食べるための糞」をつくる最も有名な動物は、ネズミではなくウサギでしょう。ウサギは軟糞と呼ばれる、普段飼育していると見かける糞(硬糞)とは見た目も成分もまったく異なり、「食べるための糞」を盲腸と結腸で作っています。軟糞には、盲腸や結腸で増殖した微生物やその微生物が作った栄養素、小腸で吸収できなかった微細な食物などが含まれています。ネズミの多くもウサギのような外見から判断できるような糞ではないが「食べるための糞」をつくり、それを食べます。

※ではネズミの好物とはいったいなんでしょう?詳しくはこちらをどうぞ。
ネズミの好物を知って駆除しよう!毒餌の効果の上げ方

ネズミは糞をつかんで食べる

ネズミの場合糞を丸呑みせず前肢で持って咀嚼します。特にネズミの一種であるモルモットは食糞の回数が多く、1日に150〜200個の糞を食べることから、飼育していれば目にする機会は多いかもしれません。前肢でしっかり持ってモグモグ食べている姿はなんとも美味しそうに食べます。食べているのは糞なのですが。

何故ネズミは糞を食べる?

ネズミが糞を食べる理由

一部のメディアやネットの記事では「消化しきれなかった繊維などを再摂取する事で消化吸収する」という文をよく目にしますが、これは間違いです。齧歯類の場合はウサギほど明確に食べる糞を作れるわけではないので、間違いと断定できるものではないが、少なくとも本質をついてるとは言えません。食糞は「消化しにくいものを再消化するための行動」ではなく「排出されてしまう消化しやすいものを残さず消化するため」の行動なのです。

消化吸収の問題

植物の葉や草は大部分が消化率の悪い繊維質で構成されていますが、微量ながら消化しやすい部分も含まれます。これらをエサにする小型動物は「消化できない部分はさっさと排出して、消化できる部分をしっかり吸収する」という消化戦略をとります。大型の草食動物に比べ、体重あたりの食物の摂取量が多い理由の一つはこれです。また、繊維からエネルギーを作り出すには微生物の力を借り、長い時間をかける必要があります。一般的に小型動物は消化管が短く、繊維からエネルギーを作り出すには不向きです。さらにネズミは基礎代謝も高く繊維からゆっくりエネルギーを作り出すという戦略は適していません。

ネズミの糞は栄養豊富

まな板の上に魚や肉
ネズミのような小型動物は消化管の前半ではなく後半の盲腸に微生物をすまわせることで、まず食物の消化しやすい部分を自らが消化吸収し、消化できなかった部分を盲腸の微生物が利用します。さらに、消化物が盲腸を出て結腸を通過する際に、含まれている微生物を一旦戻す機能があり効率的に盲腸内に微生物を留められるようになっています。このようにして盲腸で増殖した微生物や微生物がつくったビタミンなどは通常の糞よりもこれらを多く含む「食べるための糞」としてまとめて排出され、食糞により動物に吸収されます。このとき含まれる微生物は、草食性の動物にとってエサから取ることが難しい貴重なタンパク質の補給源となっています。

ネズミにとってとても大事なアミノ酸

筋肉や臓器、皮膚に毛、体の中ではたらく酵素などを構成するタンパク質は、ネズミにとって最も重要な栄養素の一つです。しかし多くの植物にはあまりタンパク質が含まれておらず、また含まれていたとしても、質が高く必ず食物から摂取する必要があるものを「必須アミノ酸」と言いますが、この必須アミノ酸が豊富に含まれていなかったりします。例えば、ある製品をつくるとき、AとBとCという部品が必要だったとします。その際AとBが10個あったとしてもCが8個しかなかった場合、製品は8個しかできず、残りのAとBの部品2個ずつは無駄になってしまいます。同じような事がアミノ酸でも起こるのです。このためタンパク質は含まれる量は勿論のこと、構成するアミノ酸も重要になってきます。

ネズミは糞を食べなければならない

自分の消化管にいる微生物はこのアミノ酸のバランスが非常によく、エサからタンパク質をとる機会の少ないネズミにとって、非常に重要なタンパク質源となります。また、利用されなかった生命活動により生じるアンモニアは肝臓で尿素に変換され、この尿素にも微生物が利用され、微生物の増殖を促し、これを食糞により摂取する事で再利用されます。このように、ネズミは貴重なタンパク質を食糞により無駄なく利用する事で小型動物の生態に適応しているのです。ネズミにとって食糞は当然の行動、場合によっては食べなければならないことすらある非常に重要な行動と言えます。

最後に

如何だったでしょうか、今回はネズミが糞を食べるという衝撃的なお話しでした。小型動物にとっては質の良いタンパク質の摂取は生死を分ける重要な選択です。ネズミが自宅や家に現れて様々な物を食べるという行動もこれで納得できたのではないでしょうか。ですがいくらネズミにとって重要だとしても、家に現れて我々の食べ物を取られる事は私達にとっては如何ともしがたい事であります。ネズミは様々な感染症の原因となる菌を持ち合わせてる事が多く、ネズミが現れても放っておく事は大変危険です。すぐに対策を取らないと危険です。

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