アライグマ被害の場所や特徴!被害を防ぐための対策について

アライグマが歩いているイラスト
害獣

近年、野生アライグマによる被害が全国各地で広がっています。被害は農作物だけではなく家屋や建物に侵入し、糞や尿を撒き散らすなど、さまざまな場所で被害が発生しています。今回はアライグマがもたらす被害の特徴と被害を防ぐための害獣対策をご紹介します。

目次

  1. アライグマによる農業被害
  2. アライグマによる家屋被害
  3. アライグマによる健康被害
  4. アライグマが引き起こす様々な問題
  5. アライグマ被害を防ぐための害獣対策
  6. 最後に

アライグマによる農業被害

アライグマが木に登って威嚇している様子

年々増える農業被害額

アライグマによる農作物の被害は全国的に増えてきています。農水省の発表によれば2005年時点では1億5000万円程度でしたが2018年の発表によれば3億5000万と2倍強も被害額が増えています。その後も増加傾向が続いています。

被害に遭いやすいアライグマの好物とは

雑食性でどんな物でも食べるアライグマですが、特徴として、大量に食べれて尚且つ近くにある物を好んで食べる傾向があります。
全国様々な地域で多少異なりますが、基本的には甘味の強い「イチゴ・メロン・ブドウ・スイカ」などの果物類や「トウモロコシ・カボチャ・サツマイモ」などの野菜類を好んで食べます。更には家畜などの飼料に使われている乾燥トウモロコシなども好んで食べるため、畜産農家は被害に遭いやすいです。

被害の主な原因は被害額には含まれない農作物?

上記で紹介した農業被害額には含まれない被害もあります。具体的にはアライグマによって触られたり傷や汚れをつけられたりそれに伴う規格外などにより廃棄された作物です。
例えば、庭園などで放置された果樹類を食べる被害や、個人で作っている家庭菜園での被害などは被害額に含まれていません。
農作物の被害は収入に直結するため、農家さん達はあの手この手で対策を施しますが、収入とは関係ない家庭菜園や、公園などでの被害に対策をしているのは、ほんのごく僅かなのです。この数字に表れない被害が公式な被害額を増長していると言われています。

アライグマによる家屋被害

アライグマが侵入しやすい家とは

アライグマは暗くて狭い場所を好むため、屋根裏や床下などに入り込み、ねぐらとして住みつきます。アライグマは数センチほどの隙間であっても侵入してきますので、建物の繋ぎ目や換気口、通気口などがおもな侵入口になります。特に築年数が古い木造タイプの家は、建物自体が劣化していることもあり、土台やつなぎ目に隙間がある場合があるので注意が必要です。侵入口や侵入経路の対策にあたっては素人には難しいこともあるので、ご心配な方は一度専門の業者へ調査してもらうことをおすすめします。

具体的な家の被害

アライグマが家の屋根裏や天井などをねぐらにしてしまった場合は糞尿による被害が出てきます。中型獣と呼ばれるアライグマ、タヌキ、ハクビシンなどは同じ場所に糞尿をする習性があるので、ほうっておくと天井にシミができ腐敗しボロボロになって天井板が腐り落ちたりしてしまいます。
特にアライグマの糞は、びちゃびちゃと水分が多く匂いも大変臭く強烈がするので、家が悪臭で耐えられないという声もあります。

庭木の果樹や菜園被害

農業被害の項にも記載しましたが、家の庭になっている果樹類や家庭菜園で作っている野菜類などにも被害をもたらします。木登りが得意なアライグマは。柿や蜜柑など、上手に木に登り、取っていってしまいます。更に格好の餌場を見つけると、その場で糞尿もするので、糞尿の後片付けや、食い散らかした後の作物を捨てたりと手間も労力もかかります。

アライグマによる健康被害

接触感染する恐れのある『疥癬(かいせん)』

ヒゼンダニというダニによって起きる疥癬という疾病にアライグマはかかっている場合が多く、これは人間にも感染してしまうので、アライグマには直接触れたりしないでください。人間が感染してしまうと激しいかゆみが特徴で寄生部位に丘疹や小水疱が表れたりしてきます。皮膚を掻きむしることで出血などしてしまうと細菌などの二次感染を受けることもあります。
疥癬の原因となるヒゼンダニは、人への感受性が必ずしも高いというわけではありませんので、絶対に感染すると言うわけではありませんが、免疫機能が低下している場合には発症しやすくなるのでアライグマに直接の接触は避けましょう。

日本は大丈夫?『アライグマ回虫症』

アライグマ回虫症とは北米のアライグマに見られるとても恐ろしい回虫です。
国内の野生アライグマでは回虫の寄生例は確認されていないみたいですが、動物園の飼育されているアライグマで確認されたことがあります。これら回虫がもしヒトに感染してしまうと、発育障害や神経系の後遺症、最悪の場合は命に関わる危険性もあります。感染経路としては、アライグマの糞に含まれているアライグマ回虫卵が唯一の感染源であるので、アライグマの糞をする場所にはできるだけ近づかないようにしましょう。

その他の感染症

アライグマに限って起こる訳ではありませんが『レプトスピラ症』『サルモネラ菌』『カンピロバクター細菌』これらの疾病もアライグマによって引き起こされる可能性があります。これらは全て感染した動物の糞尿から土壌や水に広まり汚染されてしまい、それを触れたりする事により私たち人間に感染してしまいます。具体的な症状はこちらでは割愛しますが、それぞれ重症度は様々で吐き気や軽い発熱、頭痛など食中毒のような症状から始まります。

アライグマが引き起こす様々な問題

生態系への影響

アライグマは雑食性であり、様々な物を捕食します。体の大きさが近い在来の哺乳類と食べ物を巡って競争する可能性があることが指摘されていて、このことにより、生物多様性を脅かすことが懸念されます。また水生生物への被害も多く、魚類は稚魚のうちから捕食し、亀やカニ、カエルなど、その地域の生態系にも影響を与えます。

歴史的文化財への被害

山奥や田舎などの人間が常駐していない神社や仏閣は格好のねぐらや住処とし、貴重な歴史ある木造文化財を損壊してしまいます。また文化の基盤となり人々の心をはぐくむ地域の自然が変質してしまうことも心配材料です。

アライグマ被害を防ぐための害獣対策

これまでアライグマの被害や問題を紹介してきましたが、今後もアライグマによる被害は増加・深刻化すると予想されています。被害を防止するためにも今まで以上に積極的な害獣対策が必要になります。
家屋被害の防止では、家屋への侵入経路を防ぐことや、空き家を放置しないなどの基本的な害獣対策が重要です。また家庭菜園や農家など、被害に遭いやすい場所では、アニマルネットや防護柵をつけるなど、事前に害獣対策を行うことで、被害を未然に防ぐことができます。

最後に

今回はアライグマの様々な被害と対策についてご紹介しました。元々はアライグマは日本に生息する生き物ではなく海外からの輸入により定着しました。アライグマの被害は年々増えており、その被害は農業などの経済的被害だけではなく、健康的被害にも影響をもたらします。被害を防ぐためにも農家や家庭菜園、築年数の古い家などは早めの対策を実施しましょう。

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