アライグマは危険!? 害獣とされる理由と実際の被害について

アライグマの群れ
害獣

断熱材が傷む主な原因はカビによる劣化ですが、これからの季節に注意したいのが害獣による破損被害です。春になると多くの動物が繁殖期を迎え、床下や屋根裏の断熱材が巣作りの材料として使われることがあります。中でも、近年被害が増えているアライグマは特に注意が必要です。今回は、アライグマが害獣とされる理由や、実際にどのような被害をもたらすのかについて詳しくご紹介します。

目次

  1. アライグマは特定外来生物に指定されている害獣
  2. アライグマによる被害とは?
  3. アライグマの被害を未然に防ぐ方法
  4. まとめ

アライグマは特定外来生物に指定されている害獣

指を立てた作業服の男性とチェックマーク
可愛らしい見た目のアライグマですが、2005年に施行された「外来生物法」 により、環境省が指定する特定外来生物に分類されています。
特定外来生物とは、生態系や人の生命・健康、農林水産業に悪影響を及ぼす、またはその可能性がある動物のことです。

もともと日本に生息していなかったアライグマですが、1970年代にペットとして輸入されるようになりました。
しかし、気性が荒く、飼い慣らすことが難しいため、飼育放棄された個体が野生化し、現在では47都道府県すべてで生息が確認されています。

アライグマがここまで増えた大きな理由のひとつが、その驚異的な繁殖力です。

  • 妊娠率はほぼ100%
  • 1回で3~6頭の子供を出産
  • 約2年で成獣になり、すぐに繁殖が可能

さらに、日本にはアライグマの天敵となる動物が存在しないことや、狩猟対象に含まれていないこと、雑食でどんな環境にも適応できることから、個体数が減る要因がほとんどありません。
こうして野生のアライグマが増え続けた結果、生態系が荒らされ、人への被害も急増しています。

アライグマによる被害とは?

畑のスイカが野生動物に荒らされた後
アライグマの被害で最も深刻なのは、農作物への食害です。
雑食で食欲旺盛なアライグマは、農作物から放置されたゴミまで何でも食べます。
特に甘い食べ物を好み、ブドウやトウモロコシ、スイカなど糖度の高い作物が狙われる傾向があります。
また、出産を控える春には、肉や魚などのタンパク源を求めて、家畜や養殖魚を襲うこともあります。

一見、これらの被害は住宅街で起こる被害とは関係ないように思えるでしょう。
しかし、最近では家庭菜園や庭で飼育している鯉や亀などがアライグマに食べられるケースも増えているため、油断はできません。

食害の他にも、アライグマが天井裏や屋根裏などに住み着いた場合、騒音や悪臭、建物の損傷といった被害を招く恐れがあります。
アライグマの糞尿は特有の臭いがあり、犬や猫の排泄物よりも強烈な臭いを放ちます。
また、毎回同じ場所に排泄する「ため糞」の習性もあるため、放置すると家中に悪臭が充満する可能性があります。

さらに、野生のアライグマが保有しているダニやノミ、病原菌、寄生虫などによる健康被害にも注意が必要です。
アライグマの糞には、食中毒の原因となるサルモネラ菌やカンピロバクター菌が含まれている可能性があります。
アライグマと直接接触しなくても、寄生しているダニやノミが原因でアレルギーを発症したり、アライグマの血を吸った蚊によってウイルスが媒介される可能性も指摘されています。

このように、アライグマによる被害は多岐にわたり、農業被害だけでなく、生活環境や健康面にも深刻な影響を及ぼすため、適切な対策が必要です。

アライグマ被害の場所や特徴!被害を防ぐための対策について

アライグマの被害を未然に防ぐ方法

箱罠で確保されたアライグマ
アライグマの被害を防ぐためには、以下の3つの対策が効果的です。

① 家への侵入を防ぐために隙間を塞ぐ

アライグマは屋根裏や天井裏に巣を作ることが多く、10cmほどの隙間があれば侵入できます。
3~5cm程度の隙間でもこじ開ける力があるため、小さな隙間も徹底的に塞ぐことが重要です。
隙間を塞ぐ際には、目の細かい金網や頑丈な板を使用し、しっかりと固定しましょう。
また、庭木の枝を足場にして屋根に登ることがあるため、定期的に剪定することも大切です。

② エサとなるものを家の周りに置かない

アライグマは雑食性で、農作物やペットフード、ゴミなどを漁るため、これらを放置しないことが大切です。
特にゴミは、臭いが漏れないよう袋の口をしっかり閉じ、蓋付きのゴミ箱で保管しましょう。
鍵付きのゴミ箱を使うか、蓋の上に重しを乗せることで、さらに対策を強化できます。
また、夜間のゴミ出しは避けるようにしてください。

③ アライグマが嫌がるアイテムを設置する

夜行性のアライグマは嗅覚や視覚、聴覚が発達しているため、強い匂いや光、超音波を嫌います。
木酢液やハッカ油、オオカミの尿を使用した忌避剤、強い光を放つLEDライト、超音波装置などを設置することで、アライグマを遠ざける効果が期待できます。
ただし、これらの効果は一時的な場合が多いため、アライグマが慣れる前に隙間の修復や環境の改善など、根本的な対策を併せて行うことが重要です。

以上の対策を組み合わせて実施することで、アライグマの被害を効果的に防ぐことができます。
もし周辺でアライグマを見かけたり、農作物への被害が発生した場合は、早めに対策を講じましょう。

アライグマを寄せ付けない方法

まとめ

アライグマは特定外来生物に指定されるほど繁殖力が強く、被害件数は年々増加傾向にあります。
屋根裏や天井裏に住み着くと、騒音や悪臭、健康被害の発生リスクも高まります。
被害を防ぐには、侵入口を塞ぎ、エサとなるものを家の周りに置かないことが重要です。
ご自分での対策が難しい場合や、すでに被害が出てお困りの場合は、(株)ミナトまでご相談ください。
害獣駆除専門のスタッフがお伺いし、最適な対策をご提案いたします。

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