マンションでもシロアリは発生する!2階以上でも注意が必要な理由とは?

シロアリは木材を食害し、建物に被害を与えるイメージがありますが、実はコンクリート造のマンションでも被害が発生することがあります。そこで今回は、マンションでシロアリの被害が発生する原因や、2階や3階に住んでいても油断できない理由について詳しくお話しします。
目次
マンションでシロアリが発生する理由
マンションの多くは、コンクリートの土台の上に直接床材を設置するため、床下がない構造になっています。
この構造では、基礎のコンクリート部分からシロアリのエサとなる木材にすぐにたどり着けるため、シロアリにとってはむしろ好都合です。
また、基礎の大半がコンクリートで作られていても、施工時の型枠がそのまま残っていたり、床や壁の下地として使われた木材がコンクリートに埋め込まれているケースもあります。
この場合、シロアリはまずコンクリートに埋められた木材を食害し、最終的に室内で使われている木製の建材へと被害が広がる可能性があります。
よっぽどのことがなければ、シロアリがコンクリートをかじって穴を開けることはありません。
しかし、体長約3.5~6mmのシロアリは、基礎部分に使われているコンクリートが乾燥する過程で生じる小さな隙間やひび割れを利用し、蟻道を作って簡単に侵入できてしまうのです。
2階や3階へはどうやって侵入する?
マンションのシロアリ被害の多くは1階で発生しますが、場合によっては、2階以上のフロアでも被害が発生することがあります。
シロアリが2階以上へ侵入する経路は、大きく2つに分かれます。
①1階から侵入し、上層階へと移動する
シロアリは、マンションの基礎部分の隙間などから1階に侵入し、フローリングや木製の建具(ドア枠など)を食害します。
そして、1階での被害が進むと、上の階へと移動し、食害範囲を広げることがあります。
②羽アリとして飛来する
羽アリは自力で高く飛ぶことができません。
しかし、上昇気流に乗ることで地上10m前後まで舞い上がることが可能です。
飛行距離は種類によって異なり、数メートルから数百メートルに及ぶこともあります。
住宅周辺にシロアリの巣がある場合、巣穴から風に乗って2階や3階に飛来し、網戸の隙間などから住宅へ侵入します。
特に、シロアリの繁殖期である春から秋口にかけては、こうした侵入リスクが高まるため、注意が必要です。
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羽アリの飛来に注意が必要な時期とは?
羽アリが建物の2階以上に飛来する可能性が高まるのは、4月~9月頃です。
また、シロアリの種類によって、群飛(羽アリが巣穴から集団で飛び立つ)の時期や時間帯、発生しやすい気象条件は異なります。
今回は、日本で被害件数が多い3種類のシロアリの群飛の特徴をご紹介します。
【ヤマトシロアリ】
関東では4月~5月、東北地方では少し遅れて5月~6月にかけて群飛します。
降雨の翌日に晴天となり、湿度60%以上、最高気温24℃以上に上昇するなどの条件がそろうと、群飛する確率が高まります。
【イエシロアリ】
基本的には6月~7月に群飛しますが、沖縄県などの暖かい地域では5月下旬頃にも発生することがあります。
雨の影響を受けず、湿度70%以上、気温24℃以上の蒸し暑い日の夕方から夜にかけて群飛します。
特に、梅雨時に気温が上昇し、湿度が急激に高まると群飛しやすい傾向があります。
また、光に引き寄せられる習性があり、家の電灯や窓から漏れる明かりに誘われて飛来することもあります。
【アメリカカンザイシロアリ】
7月~9月を中心に群飛しますが、冬季を除き年間を通じて散発的に発生する可能性があります。
これは、他のシロアリと異なり、巣の中の個体数が300匹を超えるたびに羽アリが発生し、群飛が行われるためです。
群飛は昼間、気温が15℃以上と暖かい日に発生しやすいといわれています。
また、他のシロアリが湿度60~80%とジメジメした日に群飛するのに対し、アメリカカンザイシロアリは湿度40~60%と比較的乾燥した日に群飛するのが特徴です。
このように、年間の約半分は羽アリが飛来する可能性があります。
2階以上にお住まいの方も、ベランダや廊下などで羽アリの姿や落ちた羽を見かけないか、定期的に確認することが大切です。
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まとめ
今回は、マンションでもシロアリ被害が発生する可能性や、その理由についてお話ししました。
シロアリは、マンションの基礎部分にできた隙間から侵入し、1階から上の階へと被害を広げることがあります。
また、4月~9月にかけては、羽アリが風に乗って2階以上へ飛来する可能性もあります。
マンションでは、戸建て住宅のようにシロアリ点検の明確な基準が設けられていないことが多く、 管理組合に任せきりになっているケースも少なくありません。
シロアリの定期点検をしばらく行っていない方や、このコラムを読んで不安を感じた方は、この機会にぜひ(株)ミナトのシロアリ調査をご検討ください。