「鳥獣保護管理法」ってどんな法律?害獣を自分で捕獲・駆除するために必要な許可や免許とは

机の上に置いている見開きの本
害獣

なぜ、ネズミは自分で駆除してもいいのに、イタチやハクビシンは自分で捕獲や駆除をしてはいけないのか疑問に思ったことはありませんか?それはなぜかと言うと、「鳥獣保護管理法」という法律によって誰でも簡単に野生生物を捕獲できないようになっているからです。今回はこの「鳥獣保護管理法」と、法律に基づいて自分で害獣を捕獲・駆除するためにはどうしたらいいのかお話します。

目次

  1. 野生生物は「鳥獣保護管理法」で守られているが、家ネズミは対象外
  2. 害獣の捕獲に必要な資格や免許とは?
  3. 害獣の追い出しは法律で許可されている
  4. まとめ

野生生物は「鳥獣保護管理法」で守られているが、家ネズミは対象外

土の上を歩くネズミ
「鳥獣保護管理法」は環境省によって制定された法律で、正式名称を「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」といいます。
この「鳥獣保護管理法」は、日本の生態系のバランスを保ち、生活環境の保全や農林水産業を健全に発展させるために、野生生物を許可なく捕獲等することを規制している法律です。
規制の対象となっているのは、イタチやハクビシンなどの害獣をはじめとした鳥類及び哺乳類に属しているすべての野生生物です。
この野生生物の中にはネズミも含まれますが、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種類は鳥獣保護管理法の対象外となっているため、自分で捕獲・駆除することが許可されています。
これが、ネズミは自分で駆除できるけれど、イタチやハクビシンなどの害獣を自分で捕獲・駆除できない理由です。

害獣の捕獲に必要な資格や免許とは?

箱罠にかかったハクビシン
害獣の捕獲は「鳥獣保護管理法」で原則禁止されています。
ですが、実際に被害が生じている場合や、捕獲しなければいけない何らかの理由がある場合は、環境大臣もしくは都道府県知事の許可を受けることで害獣を捕獲できるようになります。
※一部例外として知事等の許可が不要となるケースもあります。

害獣の捕獲許可の申請手続きは、市町村の役所にある窓口で行います。
許可の申請は個人でも法人でも可能ですが、野生生物を捕獲するにあたっては原則として狩猟免許が必要なので、免許がない方が申請する場合には捕獲できる人を探しておく必要があります。
ただし、自治体によっては狩猟免許を持っていなくても「小型箱わな」という罠を使用した捕獲に限って許可の対象となる場合があります。
害獣を捕獲したあとの処理に関しては、自治体によって方法が異なります。
害獣を行政の職員に引き渡せるのか?それとも自分で処理しなければいけないのか?必ず事前に確認してから申請を行うようにしましょう。

アライグマの捕獲は自分でできる?適切な駆除手順と法律の注意

害獣の追い出しは法律で許可されている

作業服を着た男性
害獣の捕獲には環境大臣もしくは都道府県知事の許可と狩猟免許が必要ですが、屋根裏に入り込んだ害獣を追い出す行為は法律で許可されています。
追い出す方法として、害獣が嫌いな音や超音波、強い光、忌避剤、ニオイが出る駆除アイテムなどを屋根裏に設置したり、燻煙剤を焚いて追い出す方法がよく使われます。
1度の追い出しで害獣が寄り付かなくなればいいのですが、音や光、ニオイに慣れて再び屋根裏に戻ってきてしまったり、新たに別の害獣が入り込んでしまう可能性もあります。
そのため、害獣の追い出しに成功したあとは、侵入経路となっている穴や隙間を塞ぐといった再発防止策まで徹底的に行ってください。
また、野生生物にはダニやノミ、菌などが寄生していることがあるため、害獣を追い出したあとは掃除と消毒をしっかり行い、清潔な環境を整えることも大切です。

害獣ハクビシン対策!侵入させない・寄せ付けないための方法を解説

まとめ

イタチやハクビシンなどは「鳥獣保護管理法」という法律で規制がかかっているため、ネズミのように一般の方が許可なく捕獲・駆除することは原則禁止されています。
ですが、屋根裏から追い出すことは法律で認められているため、市販の追い出し駆除アイテムを使って追い出すことはできます。
害獣を追い出したあとは、侵入口を塞いで清掃・消毒をしっかり行い、再発だけでなくダニやノミ、病原菌の発生による二次被害を防ぐことも大切です。
市販の薬剤は誰でも安全に取り扱えるように、薬剤の濃度が薄かったり、効果が長く続かないなどの欠点があります。
また、害獣が屋根裏で出産している場合は追い出しアイテムを使わずに、最初から駆除業者に依頼した方がスムーズに駆除できるケースもあります。
どうすればいいか分からない場合は、市販のアイテムを試す前に駆除業者に相談したり被害状況を調査してもらいましょう。

関連記事 こちらも記事もおすすめ