次亜塩素酸水はウイルス対策に効果あり!?除菌・消毒の正しい使い方とは?
新型コロナウイルス予防対策、さまざまなところで取上げられた「次亜塩素酸水」名前は知っているけど実際の効果や正しい使用方法は知らない方も多いのではないのでしょうか?そこで今回は「次亜塩素酸水」について効果や使い方、購入のポイントをご紹介します。
目次
次亜塩素酸水とは?
厚生労働省によると、「次亜塩素酸水とは殺菌料の一種であり、、塩酸(いわゆる酸)又は食塩水(塩化ナトリウム水溶液)を電解することにより得られる次亜塩素酸を主成分とする水溶液である。」とされています。
要約すると塩酸か食塩を加えた水を電気分解することで生成できるお水です。
電気分解での製法・pH値・有効塩素濃度が厚生労働省により定められており、その違いにより強酸性、弱酸性、微酸性の次亜塩素酸水に分けられます。
- 微酸性次亜塩素酸水(pH5.0~6.5 10~80ppm)
- 弱酸性次亜塩素酸水(pH2.7~5.0 10~60ppm)
- 強酸性次亜塩素酸水(pH2.7以下* 20~60ppm)
【pH(ピーエッチ)ってなに?】
酸性・アルカリ性には、弱いとか強いとかいう度合い(強さ)があります。この酸・アルカリの度合い(強さ)を表すのに、pH(ピーエッチまたはペーパー)と呼ばれる数値を使います。pHの値は通常1~14とされ、pH7を中性とします。
酸 性 pH0>PH7
中 性 pH7
アルカリ性 pH7<pH14
【ppm(ピーピーエム)ってなに?】
%と同じように、濃度をあらわす単位です。ppmは100万分の1、 %は100分の1の意味で、1%をppmであらわすと10,000ppmになります。
次亜塩素酸水は、pHが酸性領域にあるので、その塩素濃度が薄いこと解ります。漂白剤として有名な「次亜塩素酸ナトリウム(アルカリ性)」とは違い「次亜塩素酸水」は酸性であり、食品添加物として厚生労働省により認可されておりその安全性が検証されております。
(参照:厚生労働省)
次亜塩素酸水
次亜塩素酸水の効果について
次亜塩素酸水は、酸化作用により、細菌やウイルスを破壊し無毒化する効果があります。以前から各研究所でノロウイルスやインフルエンザウイルスに対する不活性化効果があると報告されています。
(参照:厚生労働省)
ノロウイルスの不活化条件に関する調査
次亜塩素酸水が一部条件により新型コロナウイルスにも有効
次亜塩素酸水にも新型コロナウイルスに対する有効性も認められており、一定濃度の次亜塩素酸水が定められた使い方で新型コロナウイルスの感染力を一定程度減弱させることが確認されています (製品評価技術基盤機構:NITEの検証より)
ただし、条件あり!
- 汚れ(有機物:手垢・油脂など)をあらかじめ除去すること
- 十分な量を使用すること
- 電気分解・非電気分解性溶液は有効塩素濃度35ppm以上
- ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは有効塩素濃度100ppm以上
上記の条件を満たせば次亜塩素酸水は新型コロナウイルスにも有効とされています。
手指の消毒は評価対象ではない
次亜塩素酸水は、手指の汚れや皮膚表面のタンパク質などと反応してしまうため、消毒効果は期待できません。また、アルコール消毒液とは違い大量の次亜塩素酸水で時間をかけて消毒する必要があること、手指などへの影響からも手指への消毒に使用することは推奨されていません。
手指の新型コロナウイルス対策に関しては、手洗いを丁寧に行うことで、十分にウイルスを除去できます。石けんやハンドソープを使って丁寧に手洗いしましょう。手洗いができない場合はアルコール消毒液(濃度70%以上95%以下のエタノール)も有効です。
(参照:厚生労働省・経済産業省)
新型コロナウイルス対策 身のまわりを清潔にしましょう。
空間噴霧の有効性・安全性は評価していない
次亜塩素酸水の空間噴霧で、付着ウイルスや空気中の浮遊ウイルスを除去できるかは、メーカー等が工夫を凝らして試験をしていますが、国際的に評価方法は確立されていません。安全面については、メーカーにおいて一定の動物実験などが行われているようです。ただ、消毒効果を有する濃度の次亜塩素酸水を吸いこむことは、推奨できません。空間噴霧は無人の時間帯に行うなど、人が吸入しないような注意が必要です。なお、ウイルスを無毒化することを効能・効果として明示とする場合、医薬品・医薬部外品の承認が必要です。現時点で、「空間噴霧用の消毒薬」として承認が得られた次亜塩素酸水はありません。
(参照:厚生労働省)
空間噴霧について
空気中の浮遊ウイルスの対策には、消毒剤の空間噴霧ではなく、換気することが推奨されています。
次亜塩素酸水の正しい使い方
次亜塩素酸水の新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性、使用について、次亜塩素酸水は身の回りの物品(モノ)の消毒に使用することが推奨されています。(経済産業省および、製品評価技術基盤機構:NITE)
それらを踏まえ、ここではデーブルや椅子、ドアノブなど物品に対して拭き掃除する場合を想定してご紹介いたします。
拭き掃除する場合は次亜塩素酸水の有効塩素濃度80ppm以上のものを使いまししょう。
(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを水に溶かした製品の場合は100ppm以上)
①汚れをあらかじめ落としておく
次亜塩素酸水は汚れや菌・ウイルスなどの有機物(脂肪・タンパク質など)に反応すると、それらを効果的に除菌・不活化するとともに自らも分解し効果がなくなり水に戻るという性質があります。ドアノブなど、汚れが付着しやすいモノは、まず、しっかり拭き取るなどして汚れを落としておく必要があります。
②次亜塩素酸水は十分な量を使うことが効果的
アルコールのように少量をかけるだけでは効果がなく、十分な量の次亜塩素酸水で、消毒したいモノの表面をヒタヒタに濡らします。ヒタヒタとはどういう状態かと言うと、消毒したいモノの表面をすっかり覆っているほどのことで、次亜塩素酸水が少し付着している程度では消毒効果は期待できません。
③少し時間をおきしっかり拭き取る
少し時間をおき(20秒以上)きれいな布やペーパータオルで拭きしっかり取ってください。
*濃度が高いものを使う場合、直接手をふれず、ゴム手袋などを着用してください。
使用上の注意事項
- 塩素に過敏な方は使用を控えてください。
- 目に入ったり、皮膚についたりしないよう注意してください。
- 飲み込んだり、吸い込んだりしないよう注意してください。
- 酸と混ぜたり、塩素系漂白剤と混ぜたりすると、塩素ガスが発生する危険があります。
- 不安定な物質のため、冷暗所に保管し、早めに使い切りましょう。
- 次亜塩素酸ナトリウムとは違います。次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めただけでは、次亜塩素酸水にはなりません。
次亜塩素酸水等を購入するときのポイント!
まず、確認事項として次亜塩素酸水と名前が似ている、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤等に用いられている)は、全然違うものです。意外と知らない方が多く、間違えて使用すると危険です。次亜塩素酸ナトリウムを酸性に混ぜると猛毒の塩素ガスが発生することもありますので、購入前にしっかり確認しましょう。
購入のチェックポイント
- 製品に、使用方法、有効成分(有効塩素濃度)、酸性度(pH)、使用期限の表示があることを確認しましょう。
- 紫外線で次亜塩素酸が分解されるため、遮光性の容器に入れるとともに、冷暗所で保管してください。(保管方法についての表示)
- 使用上の注意や安全性の根拠の表示があるか確認しましょう。
注意項目
- 成分等がわからない製品。
- 安全性をうたっているにもかかわらず、その根拠が不明なもの。
- 食品添加物であること、又は食品添加物と同等の液性・濃度であることだけを根拠として、人体への安全性をうたっているもの。
- 有人空間での次亜塩素酸水等の噴霧によるウイルス対策が、公式に認められていると誤認させるような表示を行なっているもの。
- 特許番号を明示せずに、又は特許化されていない技術について、「特許」を優良である根拠として記載しているものがあるもの。
現在、次亜塩素酸水はさまざまなところから販売されています。その中には次亜塩素酸水とは異なる製品が(正しい製法で作られていない製品)販売されているケースもあり、それらの製品を間違った方法で使用すると人体に影響するような被害が起こる場合もあるので、購入または使用の際には注意が必要です。
最後に
今回は、次亜塩素酸水の効果と正しい使い方について紹介しました。次亜塩素酸水は新型コロナウイルス対策として「物品の消毒」に対して、一定の条件のもと効果があることがわかりました。ご自身での使用に当たっては、製造事業者等が提供する安全性情報や使用上の注意等を十分に踏まえて、適切に使用しましょう。株式会社ミナトは新型コロナウイルスの除菌・消毒サービスも行っております。まずはお気軽にご相談ください。
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